タイトル | U.S.A.3部作 (The U.S.A. Trilogy) |
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オリジナル言語 | |
初出版年 | 1930 |
出版社 | 改造社 |
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レーベル | |
翻訳者 | 並河亮 |
巻数 | 3 |
各巻の詳細 |
(1) 北緯四十二度線 363ページ (2) 一九一九年 420ページ (3) ビッグ・マネー 496ページ |
どんな作品? → 様々な登場人物の生涯を次から次へと矢継ぎ早に描いていき、最終的にそれら全体が当時のアメリカという国を表現していた。
さらに詳しくはYouTubeの動画でお話しますが、簡単に作品の概要を私の言葉で。
ジョン・ドス・パソス「USA三部作」。1930年代のアメリカ合衆国を代表する、都市を描いた伝説的傑作。
ある意味、冷酷無比でドライな印象すら与えかねない簡潔すぎる文体は、装飾としての内面的な描写を大胆に省いたことにより、流れるようなテンポの良さを生みだし、また、当時の「新聞の切り抜き」やアメリカの「偉人たちの伝記」、「カメラアイ」と称した作者自身の視点や意識の流れの描写をカットアップコラージュのように物語と物語の間に挿入し散りばめた斬新な手法は今日では「非線形の語り口」と呼ばれ、文学の歴史に新たな印を刻みました。
ドス・パソスと同時代を生きた哲学者で小説家のジャン=ポール・サルトルは、彼の手法に影響を受けた作品を書き、また自身のエッセイで彼のことを「我等が時代の偉大なる作家」と褒め称えた程です。
しかし、この独創的すぎた傑作は、時事ネタを盛り込みすぎたためか、はたまた政治色が強すぎたためか、現在ではほとんど語られることがなくなってしまいました。とはいえ、文学という表現方法の可能性を大きく広げたこの作品は、後の文学者たちに多大な影響を今も与え続けてはいるのですが、、、
日本語での全3巻完訳は、1950年代に出版された並河亮氏による翻訳のみで、これは2018年現在は絶版状態、古本で手に入れるしかありません。
この動画シリーズで「USA三部作」に興味を持たれた皆さん!
一緒に復刊リクエストを出してみませんか(笑)?
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