※このページに記載した内容は、特定の人物を誹謗中傷する目的は一切なく、あくまで「事実の列挙」となっていること、また、掲載した動画は全て引用の形となっていることをご確認ご認識の上、お読みください。
2017.09.30.
史上初の文学YouTuber ムー
文学YouTuberとは?
2017年夏に、ムーが「文学を考察するユーチューバー」として活動を開始するにあたり考案した自身の活動名のひとつ。同年9月30日に文学YouTuberとして史上初の動画「文学って何?」を配信。「文学とは何なのか、一言で説明できないことに気づいてしまった。その ”説明できないこと” 自体をこのチャンネルのコンセプトにしたい」と発言。当時まだ誰も手をつけていなかった「文学を語るユーチューバー」というジャンルを開拓した。
ムーは元々【文学YouTuber】という活動名を「文学という概念を考察するユーチューバー」という意味の言葉として作っており、そこに「書評するユーチューバー」というニュアンスは込められていなかった。
実際にムーが投稿している動画は、いっけん書評動画ふうに見えるものも含めて、基本的にはすべて「書評ではなく、文学を考察する動画」という前置きがある。
「書評という行為は、仮に本人にその意思がなくても、結果的に出版社に対するご機嫌とりになってしまう。私は、出版社だけが文学を独占するべきではない、という考えなので、出版社に協力するつもりはないし、言ってしまえば、紙の書籍という形にすら拘りがない。企画として面白そうだから、といった理由がない限り、自ら進んで動画などで書評という行為をすることはない。出版関係の方から頻繁に書評動画の依頼がくるが、全て無視またはお断りしている」と、書評に対する自身の見解と立ち位置を公言している。
2017.12.19.
一方で、ムーに遅れること約2か月後の12月19日、「ベルリンの壁」というYouTubeチャンネルを運営していた動画配信者のベル氏が、この日に配信した動画で突如「文学YouTuber」と名乗り、以降、2022年現在に至るまで自身の活動名としている。
ベル氏はこの2つ前に配信した動画(12/11)では「文学少女」と名乗り、その次の動画(12/13)では「文学ガール」と名乗っていた為、12/19より前には「文学YouTuber」という活動名を確定させていなかったことが、これらの動画にはっきりと記録されている。
ベル氏は、この活動名を使い始めた理由として、「今までに配信してきた動画の中で、ある書評動画の反応がとても良かったから。特に深い理由はなく、文学少女と名乗っていたノリの延長で、なんとなく決めました。」という旨のコメントをしている。
なお、この12/19時点でベル氏のYouTubeチャンネル登録者数は1万5千名以上。つまり、既にチャンネル登録者数1万名以上という影響力のある状態で、活動を始めたばかりの先行者に対して活動名を被せてきた形になる。
ちなみに、この時ムーのチャンネル登録者数は12名。
翌2018年以降、ベル氏は大型書店とのタイアップ企画や、新聞、テレビ、ネット記事などのメディアに取り上げられるようになり、知名度が上昇。この時期の自身のチャンネルの生配信では「文学YouTuberという名前でもっと有名になりたい」とも発言している。
ベル氏の知名度上昇と共に、文学YouTuberという言葉は「書評するユーチューバー」を意味するひとつのジャンル名として世間に認識されるようになっていく。
2018.02.20.
ムーの文学マップが完成。
歴代の文学作品を100冊に絞り込み、その一つ一つを動画に落とし込むことで、文学という概念の輪郭を徐々に浮かび上がらせる、という壮大なプロジェクト。
この直後より、ムーのチャンネルではダンテ『神曲』を始め、バルザック『ゴリオ爺さん』、プルースト『失われた時を求めて』、ドス・パソス『USA三部作』、フォークナー 『アブサロム、アブサロム』、ガルシア=マルケス『百年の孤独』といった作品について語る動画が次々に配信されていった。
2018.04.11.
ベル氏が「文学YouTuber名乗ってるけど、”文学”の意味がわからないから調べて教えます!」という動画を配信。
この動画の切り口は、ムーのチャンネルのコンセプト「文学という概念自体を考察する」と丸々被っている。
つまり、ムーは最初から「文学を語るユーチューバー」という方向性のもと、文学YouTuberという活動名を決めた上でチャンネルを開始したのに対して、ベル氏の方は文学YouTuberという活動名にしたこと自体が後付けのため、このような動画を後から配信して弁明する必要が出てきたことを物語っている。
また、このベル氏の動画のサムネイルには「文学って何?」と表記されているが、これも上記のムーのチャンネルの1番最初の動画、つまり、史上初の文学YouTuberの動画のサムネイル内容と被っている。
2018.10.1. - 2019.7.11
2018年10月1日、お笑いコンビ「キングコング」の梶原雄太氏がYouTubeチャンネルを開設し、ユーチューバーとしての初の動画を投稿した。新人YouTuber「カジサック」というキャラクターに扮して様々なことにチャレンジする、というコンセプトのもと、「YouTubeとテレビの架け橋的な存在になる」という目標を掲げ、ふたつの間にある垣根をなくすことを目指すと発言。
また、自身のYouTubeへの取り組みの本気度を示すため「2019年12月末でチャンネル登録者数が100万人に届かなかった場合は芸人を引退する」との決意も表明した。これに対しては批判的な反応が多く、「(100万達成は)無理に決まっている」「YouTubeを舐めるな」というコメントが殺到、1本目の動画の低評価が3万を超えるなど、波乱の幕開けであった。
ところが、10月12日配信の12本目の動画「丸1日ママになってみました」で風向きが変わり始める。カジサックが、普段家事を一任してくれている自分の妻のために、パパである自分がママの代わりとなって一日家事を全て引き受ける、というもの。妻と子どもたちのために、必死になってママの代わりを務めるカジサックの姿は多くの視聴者に感動を与え、それまで批判の嵐だった反応が徐々に好意的なものに切り替わっていくきっかけを作った。
これはカジサックの家庭だけの話ではない。お母さんが自分の夫や子供たちのために影でどれほど大変な仕事をこなしているのか。カジサックはその大変さを身を持って体験し、動画を通して視聴者に伝え、最後に妻へ感謝の言葉を述べた。
後にムーは「いま振り返ると、この動画を堺に世間のユーチューバーへの印象が変化していったように感じる。」と述べている。
翌2019年7月11日、チャンネル登録者数100万名を達成。このカジサックの成功は、結果、芸能人を始めそれまでYouTubeに見向きもしなかった層をYouTubeに流入するきっかけを作った。
018.10.12. -
上記の「丸1日ママになってみました」動画を始めとするカジサックの成功を受けて、それまでYouTube、ユーチューバーに懐疑的な態度を示していた層が、手のひらを返したようにYouTubeでの配信活動に参入し始めた。(2020年以降のコロナ禍はその流れに拍車をかけた。)
この時点で、文学関連のYouTube配信者としては一番知名度の高かったベル氏に倣ってか、「私もYouTubeで自分の好きな本の書評動画を上げたいので、文学ユーチューバーはじめます!」という、いわゆる「後追い文学YouTuber」が増えていった。
彼らに対してムーは「もちろん、どのような活動名で活動するのも個人の自由だが、なぜ、わざわざ”文学YouTuber”というひとかたまりの文字列を丸々かぶせてくるのか?」と疑問を呈すと同時に、「文学YouTuberという言葉自体が、もはやひとつのジャンル名として浸透してしまっているので、今更どうこうするのは難しいのかもしれない」と諦めの念も見せている。
また、「後追い文学YouTuber」たちの動画は、書評動画、古書店巡り、購入本紹介、本棚動画、芥川賞予想、といったお決まりの凡庸なものが多く、これに対してもムーは、「文学YouTuberという活動名をかぶせてきている時点で彼らにオリジナリティがないことは察しているが、企画まで他と同じお決まりのものしか出来ないのはさすがに理解に苦しい。ユーチューバーという存在は英語圏ではYouTube Creatorとも呼ばれている。多少なりともクリエイターとしての自覚を持つことはできないのだろうか?」と苦言を呈している。
さらに、「後追い文学YouTuber」たちは、文学YouTuberという存在に対して、特に、文学YouTuberの「文学」の部分について持論を述べることが多々ある。「ベルさんはビジネス本や流行り本の書評動画ばかり取り上げている。文学YouTuberを名乗るなら純文学を扱うべきだ」云々。
こういった主張に対してムーは「私から言わせてもらえば、文学云々以前に、彼らがユーチューバーを名乗ることの方が疑問。そんな連中よりも、まだ確固とした世間の評価が固まる前の2015年頃からユーチューバーとしての活動を始めていたベルさんの方がよほど立派。彼らはユーチューバーがアツく面白かった2015〜2017年にかけての盛り上がりを知らない。私とベルさんにあって、彼らにないもの、それは歴史です。カジサックの成功以後、潮目が変わってからユーチューバーを自称し始めた連中に、ユーチューバーの何たるかを語る資格はない。」と切り捨てている。
ちなみに、「文学YouTuberなんて誰でも思いつきそうな名前だ」という意見を得意げに述べる者がいるが、では、彼らはその「誰でも思いつきそうな名前」で活動していたユーチューバーが、カジサックの成功以前(ユーチューバーが増加する以前)にムーとベル氏の2人しかいかなった【事実】をどう受け止めるのだろうか?